非居住者の確定申告 ー国内不動産がある場合などー

海外赴任が決まった方や、日本に不動産を残して出国される方は、これまでの税金の取り扱いが変わります。
所得税法上は「非居住者」という扱いになり、原則として日本国内で発生した所得(不動産収入など)についてのみ課税されることになるからです。
実務上よくご相談いただくポイントを整理しました。

非居住者になると使えなくなる控除

非居住者になると、居住者を前提とした控除の多くが使えなくなります。

代表的なものは次のとおりです。
• 扶養控除・配偶者控除
• 各種保険料控除
• 医療費控除
• 住宅ローン控除(一定の要件を満たす場合を除く)

多くの控除が使えなくなる、という点は注意が必要です。

非居住者でも確定申告が必要になるケース

非居住者であっても、日本国内に「国内源泉所得」があれば課税対象になります。

• 海外の会社から支給される給与は、
 →「国外源泉所得」のため、日本では課税されません

「国内源泉所得」の代表的なものは次のとおりです。

• 日本国内の会社から支給される給与
 → 国内源泉所得として課税対象

• 日本国内にある不動産の賃貸収入
 → 国内源泉所得(原則 20.42%で源泉徴収※)

• 日本国内にある不動産の売却収入
 → 国内源泉所得(原則 10.21%で源泉徴収※)

 ※ただし、
  土地や建物を自己または親族の居住用として借り受けた個人が支払う賃料、
 買主が自己または親族の居住用として取得する不動産の売却など、源泉徴収が不要となるケースがあります。


なお、不動産収入が源泉徴収されている場合でも、原則として確定申告が必要です。

非居住者になった年の確定申告

年の途中で出国し、居住者から非居住者に切り替わる場合、
その年分の所得は合算して確定申告を行います。

• 出国前の居住者期間の所得
 → 通常の所得控除が適用可能
 → 給与所得者の場合、出国までの分は年末調整が行われることが多い

• 社会保険料控除・生命保険料控除・地震保険料控除・医療費控除など
 → 出国日までに支払った分のみ対象

• 扶養控除・配偶者控除
 → 出国時点での状況により判定

また、居住者期間の所得から控除しきれなかった所得控除は、
一定の範囲で非居住者期間の所得から控除できる場合もあります。

なお、

非居住者が日本で確定申告や納税を行う場合、
日本国内の窓口として「納税管理人」を定める必要があります。

申告や納税、税務署とのやり取りをスムーズに行うためにも、
国内源泉所得がある方は早めに検討しておくと安心です。

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